🎀ご卒業、おめでとうございます!🎀

 学校で働く人を一般的に「先生」や「教員」と言いますが、教育職は、子ども一人ひとりの良さに心を寄せ、その輝きを促す使命と責任を伴う仕事です。そう考えると、教育という仕事は、高度な「専門職」としての自覚を持たなければならないと思います。単に「先に生まれた者」(先生)や「教える者の一員」(教員)ではないのです。戦前は、教師のことを小学校低学年では「補導」、小学校高学年では「訓導」、中学校では「教諭」、高等教育では「教授」と呼びました。「補導」「訓導」は、教えて正しい方向に導くこと、「教諭」は、道理をよくわかるように話し聞かせ諭すこと、「教授」は人類が到達した最高の英知を教え授けることを指します。

 昨今、「ゆとり」から「学力向上」へと、何かと教育潮流の変化が激しいですが、要は、子どもに大事なことを教え、深く考えさせ、より良き人として生きていく力を育むこと。換言すれば「自己実現」と「社会貢献」ができる人間の育成にあると思います。教師は、毎日の授業を通じて子どもの内なる「良きもの」を見つけ、引き出し、深め、その子どもならではの「輝き」を発見し導く仕事です。そのためには、

・子どもの叫び声に常にアンテナを高くし、子どもの姿は教師の責任であるという自覚を持つこと。

・子どもの何気ないつぶやきに心寄せ、そこに普遍的な価値あるものが隠されていることを見抜くこと。

・ある子どもの意見を他の子どもにつなげ集団としての高まりを意識的に追究すること。

・一人ひとりの違いのすばらしさに気づき、違いを豊かさに変える肯定的な感性を持つことなどが大切です。

 なぜ、私たちは学ぶのでしょうか?それは、人としてより良く生きるためであると思います。学びは、人の上に立つことではなく、人の役に立つことに意味があると考えます。