ご卒業、おめでとうございます!

 桜の蕾が膨らみ、「春がそこまで来てはる」今日のよき日、関西外国語大学短期大学部を巣立っていくA1クラスのみなさん、卒業おめでとうございます。今日は、みなさんに担任として「最後の言葉」を贈ります。それにしても「あっ」という間の2年間でしたね。本当は、この日が来てほしくありませんでした。みなさんと別れるのが寂しく、つらいからです。

 みなさんとは、週1回のKGCベーシックスの授業で楽しく過ごすことができたことに感謝しています。卒業式後に教室で渡す「学位記」は、みなさんが2年間の学業を終えた証です。1枚の紙ですが、その中には、みなさんが学んだことや楽しかった想い出など、短大生活のすべてが込められています。

 みなさんへのお祝いとして北川きたがわゆうじんさんの「栄光のかけ橋」という曲を紹介します。北川悠仁さんは、「ゆず」のリーダーで、この曲をアテネオリンピックのテーマソングとして作詞作曲しました。ちょうど13年前に発生した東日本大震災の後、北川さんはメンバーの岩沢さんと共に、被害のあった地域を何度も訪れ、この曲を歌って多くの人々を励ましました。実は、北川さんにも辛いことや悔しいことがたくさんありました。「ゆず」は、今でこそ誰もが知っている有名な存在ですが、デビュー前は、路上ライブをしていました。その頃は、立ち止まって聞いてくれる人はほとんど無く、とてもつらかったとそうです。それでもいつか、自分たちの歌が、誰かに届くと信じて歌い続けました。すると、少しずつ、人が集まってくれるようになったのです。歌の中にこんな歌詞があります。

―いくつもの日々を越えて、辿り着いた今がある。だからもう迷わずに進めばいいー

 ふり返って、「傷ついた経験は、過去の栄光よりも、ずっと大きな宝物だ」と北川さんは言います。何ごとにも、希望を持ってチャレンジすることが一番大切なのですね。

 短大生活の中で、学ぶ楽しさ、部活で汗を流す大切さ、仲間との友情、アルバイトでの社会体験など、たくさんの「自分の宝物」を見つけたことと思います。

 最後に、みなさんに、3つお願いをしたいと思います。

 1つめは、お父さん、お母さん、家族の方々に感謝しながら、これからの人生を歩んでほしいことです。みなさんが、今日、卒業できるのは、お父さん、お母さん、家族の方々のお力があったからです。みなさんが短大に通っている間、おうちの人は、大きな期待と共に、様々な心配や苦労があったことと思います。今まで自分をあたたかく見守り、親身に支えてくださった家族の方々に感謝しながら卒業してほしいと思います。

 2つめは、自分の「ふるさと」を愛し、将来、地元からこの日本や世界のために役立つ人になってほしいことです。みなさんが成長したのは、家族の人はもちろんのことですが、今まで指導してくれた先生、仲良しの友だち、地域の方々など、周りの人々がいたからです。これらの人々に感謝して、これからの社会に自分は何ができるのかを考え行動できる人になってほしいと思います。

3 つめは、たった一度切りの「自分の人生」を悔いのないように生きてほしいです。生きて行く上で、本当に大切なものは目に見えません。空気や時間、人の愛や命などがそうです。それらは、無くして初めてその大切さがわかります。コロナの時期を過ごした私たちは「当たり前」の日常がどんなに大切なものかを痛感しました。私たちの命には限りがあります。命というのは自分に与えられた「時間」です。限りある自分の「命の時間」を無駄にしないで生きてほしいと思います。尊い自分の命を使うことを「使命」と言います。

 4月に大学に編入する人、就職して社会人になる人など、それぞれの道を歩むみなさんですが、自分の力を一層高め、家族の人や友だちと「夢」「希望」「志」を持って進んでくださいね。期待しています。

 2025年3月8日 関西外国語大学短期大学部 教授 A1クラス 担任 明石一朗