サクラの季節

 自宅は東側に天然記念物のブナ林が茂る和泉葛城山、西側に府内で唯一の海水浴場のある二色の浜に位置する貝塚市にある。朝は山から日が昇り、夜は海に日が沈むという生活リズムで生きてきた。

 例年に比べて桜の開花が遅れていたが、ここ数日の暖かさで一気につぼみが膨らんだ。陽気に誘われて春休みの最終日、孫たちとイチゴ狩りに出かけた。 

 近くの水間寺から少し登った所に府立農業公園「かいづか いぶきヴィレッジ」がある。ここは、地産地消・スローフードをめざす地域の新たな活力を生み出すSDGsリゾートエリアである。イチゴハウスはその一角にある。平日でもあり、他のお客は疎らでゆったり楽しめた。山の緑とイチゴの紅、菜ノ花の黄と並木の桜に染まる景色に癒される。

 週明けの4月8日から本格的に春学期が始まる。別れと出会いの春。物事の終わりと始まりの季節である。ちょうど8日は誕生日。歯も毛も抜けるが「疲れ」が抜けない69歳だ。70歳への近づきに生きる時間の尊さを噛み締めて良寛和尚の句を想う。

 「散る桜 残る桜も 散る桜」

※今どんなに美しく綺麗に咲いている桜でもいつか必ず散るもの。限られた命を充実したものにし、悔いのないようにすることが大切だ。全てのことに感謝の気持ちを持って日々充実した生活を過すように。

※良寛(1758年 -1831)江戸時代の曹洞宗の僧侶、歌人、書家。