ユーモアの効果

 笑いながら自分を笑わせている相手を殴ることはできない。コンビニのレジで混んでいない時、笑顔の店員さんとそうでない店員さんのどちらのほうに並ぶだろうか。ユーモアを発する人には好意的な印象を持つことがユーモアの効果だ。

 異文化理解を深める上でもユーモアはコミュニケーションの重要なツールとなっている。日常の会話にユーモアを織り込むことで衝突を回避したり、敵対心や緊張感を緩和させたりして、人間関係の距離を縮めコミュニケーションをスムーズにすることができる。

 言葉は通じなくても、笑いの中で他者と仲良くなり繋がりが生まれる。ユーモアのお陰で人間関係のトラブルを回避できることが多々ある。日本の大手損害保険会社の営業担当者400名を対象としたアンケート結果で、ユーモア度の高い担当者ほど営業成績がよいことが判っている。米国の大学で卒業アルバムに笑顔の学生は笑っていない学生より、その後の人生の幸福度が5倍だったという調査結果がある。

 122歳までご長寿だったカルマン夫人(1997年死去:フランス)は、生前「長生きの秘訣は?」と聞かれて、こう答えた。「それは、退屈しないことと、いつも笑うことです」と。まさに「笑う門に福来る!」。誰もがユーモア精神で笑顔であれば「平和な社会」は続くと思う。