人間性について

 人は学びを通じて「賢さ」と「優しさ」と「逞しさ」(知・徳・体)を身につけ人間性を形成する。この3つのバランスが重要だ。しかし、子どもを褒める言葉に「賢いね!」だけが評価されると歪んだ人間性がつくられる。結果、世の中に「賢い」と言われる人は多くいるが、「立派な人」は少ない。

 「高学歴」で「立派な肩書」や社会的影響力のある人が、時に世間から批判される事案を起こすのは、他者への思いやりや不正を許さない心や嘘をつくことを恥じる道徳・倫理観や人権意識を軽んじているからではないかと思う。「ずる賢さ」や「悪賢さ」だけを身につけてきたのだろうか。

 人の値打ちは、出身地や性別や国籍や障がいの有無等で決まらない。人の値打ちを決める「ものさし」は3つ。それは、①他者の命を奪ったり傷つけること、②人のものを盗むこと、③嘘をついて騙すことだ。それらの行為を、世間は決して許さない。「逃げる、隠す、誤魔化す」行為は、いずれ世人の知るところとなる。