人類はなぜ戦争をするのか

 人類はなぜ戦争をするのか。その理由は複数要因が複雑に絡み合っているが、主な理由は次の4つに集約される。

①資源と経済の利権:石油、天然ガス、水、希少金属などの天然資源や、輸出入に有利な港・土地を確保しようとする争い。

②安全保障とパワーバランス:他国が強大になることを恐れ、先手を打って自分の影響力を広げようとする。「守るための攻撃」という論理や、同盟関係の維持などが引き金になる。

③宗教・民族・イデオロギーの対立:宗教の違いや民族の誇り、あるいは政治体制の相違から、「自分たちこそが正しい」という正義(信念)のぶつかり合い。

④歴史的な背景と領土問題:過去に奪われた土地を取り戻したい、あるいは歴史的な恨みを晴らしたいといった感情的な要因である。

 2026年4月現在、世界各地で深刻な戦争や紛争が続いている。

①米・イスラエルとイランとの戦争⇒2026年2月28日にイスラエルとアメリカによるイランへの軍事攻撃が行われた。米国のトランプ大統領はテヘランへの壊滅的な攻撃を示唆する一方、4月7日夜にはパキスタンなどの仲介を受けデスカレーション(事態の沈静化)へ転じ、向こう2週間の「即時停戦」に合意した。しかし、ホルムズ海峡の封鎖懸念により、世界的なエネルギーの安全保障と経済に深刻な影響が出ている。

②ロシアによるウクライナへの侵攻⇒2022年2月から始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻は、現在も5年目に突入し継続中だ。ウクライナは抗戦の決意を維持しているが、終わりが見えない消耗戦となっている。背景にはロシアとの領土問題に加え、NATO(北大西洋条約機構)の拡大を巡る安全保障上の対立が根底にある。

③ガザ地区(パレスチナ)とイスラエルとの紛争⇒2023年10月に激化した戦闘は、2025年10月に一旦の停戦合意がなされたが、状況は依然として不安定である。停戦合意後も散発的な戦闘や数百人の犠牲者が報告されており、完全な和平には至っていない。

④その他の深刻な紛争

・スーダン内戦: 軍事組織間の権力争いにより、2026年現在も激しい戦闘と深刻な人道危機が続いている。

・ミャンマー内戦: 2021年の軍事クーデター以降、国軍と民主派・少数民族武装勢力との戦闘が全国規模で続いている。

・南スーダン: 2026年4月現在も暴力の拡大が懸念されており、国連PKOの派遣期間が延長される事態となっている。

 これらの紛争の多くは、「資源」「安全保障」「宗教・民族」「歴史的背景」が複雑に絡み合って起きている。