弱きを助け、強きをくじく

 少年期から青年期(1950年代~70年代)は、日本社会の高度経済成長期でした。裸電球から蛍光灯、練炭の七輪からガスコンロ、共同便所から水洗トイレに代わるなど、明日は、「明るい日」になると実感できた良き時代でした。
 小学3年生の時、東京オリンピックが開催されました。地元のニチボー貝塚女子バレーボールチームが金メダルに輝き、凱旋パレードで、「日の丸」を千切れんばかりに振ったことを鮮明に覚えています。それから間もなく、我が家にもテレビ・冷蔵庫・洗濯機という「三種の神器」がやって来ました。
 当時、多くの少年は、テレビの中の「まぼろし探偵」「少年ジェッタ―」「七色仮面」「ハリマオー」「ジャガーの眼」「月光仮面」「白馬童子」「プロレスの力道山」などに夢中で、彼らは「弱きを助け、強きをくじく」ヒーローでした。大学卒業後、名前が「一朗」なので「一浪」して教員になることができましたが、私の教育観は、子どもの頃にあこがれたヒーローの姿に強く影響を受けました。