性の多様性

 性の多様性とは、人の性には多面的な側面があり、男か女かという二者択一できるものではないことを意味する。性の有り様(セクシュアリティ)は、主として、①体の性(戸籍などの性)、②性自認(こころの性)、③性的指向(好きになる性)、 ④性表現(表現する性)がある。これらの要素は、組み合わせによって多様であり、人の数だけあるとされている。

 性的マイノリティの人々を「LGBT」や「SOGI」などと言うが、「LGBT」はレズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字をとった言葉であり、「SOGI」は性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとった言葉である。

 性的マイノリティの人々に関する人権意識調査で問題と思うことは、「パートナーとの関係が公に認められないこと」が約40%で一番多いことがわかった。日本では、現在、同性間の婚姻は法的に認められていないからだ。2024年3月14日、札幌高裁は、「同性同士の結婚を認めない規定は違憲である」との判決を下した。今や半数を超える国民が同性婚を容認しているという意識調査の結果もあり、性的マイノリティの方々の人権問題を通して「生きにくさを感じている」人々に寄り添い、一人ひとりの人権や人格が尊重される社会づくりの実現が求められている。