恋愛

 3月14日札幌高裁は、憲法第24条1項の「婚姻は両性の合意に基づいてのみ成立」とある「両性の合意」とは、異性間に限定されるのではなく「同性間においても保障しているもの」として「同性婚を認めないのは憲法違反である」という画期的な判断を示した。

 先日、完結したNHK連続ドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」(原作:三浦しをん「舟を編む」)は、辞書編纂に携わる主人公と周りの人々の喜怒哀楽が描かれた素晴らしい作品だった。時代と共に言葉の意味も変わる。その言葉を愛し人間理解の本質に迫ろうとする主人公の姿は感動を与える。

 現行の辞書では「恋愛」とは「男女が互いに相手を恋いしたうこと。また、その感情」(広辞苑第6版)と定義されている。ドラマの中で主人公のみどりは「これは今日の時代を反映していない定義ではないか」と疑問を抱き、「異性を外しても成立する恋愛の説明はできないか」と考える。そして、次のような語釈に辿り着く。

 恋愛⇒「特定の二人が互いに引かれ合い、恋や愛という心情の間で揺れ動き、時に不安に陥ったり、時に喜びに満ち溢れたりすること」。

 すべての言葉には、生まれてきた背景や理由がある。言葉は人の心を動かし、社会を変える力がある。