憲法記念日

 ゴールデンウイークが始まった。円安で海外旅行が厳しい昨今、インバウンド客で観光地が賑わっている。国内では物価高が庶民生活を直撃しているが、1杯1500円のラーメンも外国人旅行者にとっては「格安」と言う。1ドル160円。日本円の価値はコロナ前の3分の2になった。それだけ日本の経済力が弱くなった証だ。

 連休中日の5月3日は「憲法記念日」である。元々、憲法が公布された11月3日を記念日とするべきという論議もあったが、施行した5月3日を祝日とした。11月3日は明治天皇の誕生日でもあることから「文化の日」とされた。

 5月1日~7日は「憲法週間」だ。《国民主権》《平和主義》《基本的人権の尊重》を原則とする日本国憲法は戦後の日本社会の根幹である。中でも、「基本的人権」とは、「人が生まれながらに持つ人間らしい基本的な生活をする権利」であり、「誰もが幸せになる権利」のことである。

 憲法第14条は「すべての国民は、法の下に平等であり、いかなる差別も受けない」と明記している。具体的には次のような権利だ。
・自由権……思想、精神、宗教、学問、表現、職業選択、経済活動の自由など
・参政権……選挙権、被選挙権、国民審査権(最高裁の裁判官を選ぶ)、国民投票権など
・社会権……生存権(健康で文化的な最低限度の生活)、教育、勤労の権利など
・平等権……差別的な扱いを受けない権利など
・請求権……裁判を受ける権利、国家賠償請求権や刑事補償請求権など

 また、今日の時代に即した新しい権利として「プライバシー保護権」「環境権」「知る権利」なども含まれる。しかし、人権は単なる「お題目」ではない。これらの人権は私たちの不断の努力と行動(闘い)によって実現されるものだからである。