教員の力

 教員に求められる資質・能力の中でも「子ども理解力」を高めるにはどうすればいいか。教科指導と違って教科書が無いので難しい。休み時間などに子どもの本音が見えるので子どもとよくコミュニケーションを取ること、課題のある子どもを中心にクラスが動くので、子どもの気持ちをつかんでいるかが重要になる。

 子どものトラブルは、初期対応が命だ。問題は放っておいて解決しない。ピンチはチャンスと捉え、もめごとをきっかけに子ども同士をつなぐことが大事だ。トラブルには必ず背景や原因がある。問題は「いきなり」起きない。その背景を探るために、当事者同士の「言い分」をまずは冷静にじっくり聞き事実確認をする。

 「どうしたの?」「そうやったんか」「それでどうするの」などの傾聴的な姿勢が大切だ。子どもに寄り添い、共感することから「厳しい指摘や指導」も沁み込む。頭ごなしに怒るだけでは「反発」や「不満」や「逃避」しか生まれない。なぜ揉めたのか、どうすればいいのかを考えることである。子どもの言い分の正しいところは認めつつ、反省し正さなければならない点は毅然と素直に認めさせる。

 子どもにかわいいと愛情を注いでいるか。子どもは無限の可能性を秘めていると確信しているか。そして、子どもは変わりうると心の底から思っているかが「教員の力」だと思う。