教育力とは

 子どもを取り巻く環境は悪化しています。大阪大学の志水宏吉先生は「学力を規定する要因は、一人親家庭率、離婚率、持ち家率、生活指導の問題など、様々な要因が複合的にからみあっている。先生方の授業改善などの学力向上の取り組みだけでは補えない社会的経済的文化的な負の教育力が大阪を支配している」と指摘されています。

 学校の先生の責任を逃れる訳ではありませんが、子どもの学びは家庭の教育力や地域の生活実態等に大きく影響されます。家庭や地域の格差が子どもの教育力を左右することが無い社会の実現が求められます。

 戦前の教育が「軍国少年」を育てたように、先行き不透明で閉塞した社会状況の中で、人々の不満のはけ口を社会的弱者に向けたり、特定の人々を攻撃することで自分の憂さを晴らそうとする風潮を学校教育は否定しなければなりません。誰もが「この世に生まれてよかった」と心から思えるような社会を創造するため、私たちは「知力」と「気力」と「体力」を高めなければなりません。