梅の蕾

 今年も残すところ三日となった。街路樹の山茶花の赤が寒空に映える。暖冬とは言え、何かと心寒いご時世だ。今年の漢字は「税」。税を払っていないお寺さんが発表するのもジョークだが、お金に関する笑えない出来事が年末年始の関心ごとになっている。

 そんな世人の騒めきをよそに、箱庭の梅の蕾が膨らんでいる。例年よりも一か月早い感じがする。来年こそは「よい年」でありますように!

 梅一輪 一輪ほどの 暖かさ (服部 嵐雪 1654-1707)

「寒梅が一輪だけ咲いた。その花を見ていると、まだ冬だけれど、わずかながら一輪ほどの暖かさが、もう感じられるようだ。」