通級指導について
文部科学省の調査(2022年度)によると、通級による指導(通常学級に在籍し、障がいに応じて一部の時間だけ別室で指導)を受ける児童生徒数は年々増加傾向にあり、全国で約20万人の児童生徒が通級指導を受けている。
校種別に見ると、小学校16万4,735人、中学校3万1,553人、高校2,055人の計19万8,343人で、小・中・高校の全てにおいて増加傾向にあり、前年度と比べても1万4,464人増である。
障がい種別では、言語障がい(4万8,628人)、注意欠陥・多動性障がい(4万3,050人)、自閉症(4万2,081人)などで、小・中・高校の在籍児童生徒数に占める割合は1.6%である。
背景には、従来、見過ごされがちだった発達障がいなどへの教員や保護者の理解が広がり、通級指導の積極的な利用が増えたとも考えられるが、学習面や生活面での様々な困難をかかえる子どもに少人数できめ細やかに継続的系統的に教育指導を行うには、現場の教員不足と給与等の待遇改善が十分でない現状では、教職員の負担は大きい。小学校で手厚く指導を受けても、中学や高校では通常学級のみで過ごす場合が多い。
今後の課題としては、中学校・高校における通級指導の充実と通級指導の必要性や意義について教職員はじめ児童生徒・保護者への普及・周知に取り組み、教育指導体制の充実等の為の体制づくりが急務である。
