21世紀は「人権の世紀」

 現在、ロシアとウクライナの戦争をはじめ紛争の絶えない国際情勢であり、その背景には人種・民族間の対立や宗教等の文化や伝統の違いに対する偏見や差別意識に基づく人権侵害が存在する。

 私たちは、先の世界大戦の反省から、21世紀は「人権の世紀」として平和と人権を基調とした社会づくりをめざしてきたが、国内においても女性や子ども、高齢者、障がいのある人、同和問題、外国人、性的マイノリティに対する人権問題などがあり、 最近では、インターネットによる人権侵害や、職場でのハラスメント、新型コロナウイルス感染者に対する悪質な差別事象も後を絶たない。

 これらの人権問題の解決には、身近な暮らしの中にある人権課題に気づき、関心を寄せ、人権尊重の思想を学ぶ機会を持つことが重要であり、一層の人権教育・啓発活動の推進が求められる。

 人権問題の解決の道筋は3つあると考える。第1は、さまざまな人々と豊かな出会いや素敵な触れ合いをすること。第2は、人権問題を他人事ではなく自分事として行動すること。第3は、あらゆる場で正しく学ぶ機会をつくることである。人間は「わかる」ことで「かわる」ことができる。