教員の働き方改革

 夏休みに入っても学校現場の教員は忙しい。部活や水泳教室やキャンプ・林間学校などの指導の他、各教科や専門分野の夏季研修会もこの時期に集中する。教育公務員特例法21条には、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」とあり、この研究と修養の二文字を取って「研修」と位置付けているからだ。

 40年前の新任だった頃、夏休みは、先生も「休み」だった。一学期の終了から二学期までの約40日間は基本的に「自由な日々」だった。子どもたちと山や川に出かけたり、旅に出て見聞を広めたり、教材になる資料収集や読めなかった書籍の読破など、日頃できないことにチャレンジして、心身のリフレッシュを図って英気を養ったものだ。しかし、時代は大きく変わった。

 ここ十数年、毎年約5千人以上の教員が精神疾患で休職しているという厳しい実態がある。教員の体調悪化は、ダイレクトに子どもたちに影響する。先生が元気で健康であれば、子どもも元気で笑顔になる。どうすれば教員の元気と活力が溢れる働き方改革が実現できるのか?私に思いつくことは一つしかない。それは、手取り月給と教職員数を2倍にすることだ。そうすれば、現役の先生の働き甲斐のみならず、教職を志望する優秀な人材をたくさん学校現場に登用することができるのだ。日本の未来を担う子どものために教育への国家予算の倍増を強く願う。