小学校の教科担任制

 文部科学省は、教員の働き方改革の一環として、来年度、小学校高学年「教科担任制」拡大のため1900人の教員を増員する予定という。2022年度から本格的に始まった5・6年生の英語、理科、算数、体育の4教科を中心に専門教員が教える制度の拡大である。

 しかし、全国の公立小学校は約19000校ある。年度ごとに増員するといっても〇の数が二桁少ないと思う。この程度の「増員」では「焼け石に水」だ。今回の増員計画によって学級担任の空き時間ができて授業準備や事務作業にゆとりが生まれ、結果として教員の長時間労働が改善され、教員志望者が増えると真剣に考えているとしたら「茶番」である。

 「事件は現場で起きている」と言われる。教育政策を担当する官僚のみなさんは、一度、小学校現場に1ヶ月でもいいので「教育実習」に行ってはどうか。人は足に合わせて靴を履くように学校現場の実態をつぶさに把握して教育施策を企画立案してほしい。このような小手先の改革ではなく、最も有効な教員の働き方改革は、教員給与と教員数を2倍にする法案を制定し実行することだと強く思う。