多様性の尊重

 人は物事の感じ方や考え方、得手不得手など、それぞれ異なるからこそ、互いに助け合い支え合うことができ、新しいアイデアを生み出すことができる。多様性の尊重は、社会にとって不可欠なもので、人類の繁栄や発展の基である。

 昭和のテレビCMに「わたし作る人(女性)、ぼく食べる人(男性)」というラーメンの一コマがあった。インスタントコーヒーのCMでは、コーヒーを飲んだ後に「違いのわかる男」と、したり顔の男性が映し出された。公立中学校では男女別に「技術・家庭科」の授業があり、男子は技術室で木材工作、女子は家庭科室で料理や裁縫を習った。当時、それが「当たり前」だった。

 昭和から平成・令和へと移り、男女の役割固定意識も改善されてきたとは言え、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきと思う」との回答が35%(内閣府の調査:2019年)あるように、まだ、性別による偏見や差別意識は少なからずある。全ての人の人権が尊重され、その個性と能力が十分に発揮できる社会の実現が求められている。