「嫌がらせ」?
最近、メディアの気になる文言がある。「中国政府は日本産水産物の輸入を全面停止し、中国から日本に嫌がらせ電話が相次いでいる。」という記事だ。福島原発事故によって発生した「処理水」への中国の反応を「嫌がらせ」と、まとめて報じることはどうだろうか?
もちろん、実際は、福島第1原発の「処理水」の海洋放出から2週間、海洋から検出される放射性物質トリチウム濃度は基準を大きく下回っているし、国際原子力機関(IAEA)も安全性を確認している。しかし、そうした事実が丁寧に日本政府と東電が近隣諸国に情報提供し説明していないから「不安」が「不満」となって「不信」を招いているのではないか。確かに「嫌がらせ」もあるだろうが、正当な「批判」や「抗議」の声に真摯に向き合うことが必要だ。
日本産の水産物は「危ない」という風評に悲しく思う日本人は多いが、恒例となったお節料理のチラシに「当店の料理は安全です!第一に合成着色料不使用、第二に合成保存料未使用、第三に中国産原料不使用」との文言に中国の方たちはどのように思っているのか考えを巡らせたい。