青春

 青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、(たくま)しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(きょうだ)(しりぞ)ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。

 歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や、狐疑(こぎ)、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ(あたか)も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも(かい)に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。曰く「驚異への愛慕心」、空にひらめく星晨(せいしん)、その輝きにも似たる事物や思想の対する(きん)(きょう)、事に處する剛毅(ごうき)な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。 

人は信念と共に若く  疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く  恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く   失望と共に老い朽ちる 
  

※サミュエル・ウルマン(1840ー1924年、米国の実業家・詩人・人道主義者)