教育の意味

 昭和から平成・令和の時代になり、教育の潮流は「ゆとり」から「学力」・「生きる力」の育成へと変遷してきた。要は、子どもに大事なことを教え、深く考えさせ、より良き人として生きていく力を育むことだ。

 フランスの詩人、ルイ・アラゴンは「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸にきざむこと。」と語っているが、教育の本質は、人としてより良く生きる力を育てること、「自己実現と社会貢献」ができる人間の育成である。

 教育は、子ども一人ひとりの可能性に心を寄せ、その輝きを促す使命と責任を伴う営みである。その意味では、教員は子どもに「希望を語っているだろうか」、「希望を語るにふさわしい自分になっているだろうか」と、常に自問する存在でなければならない。

 教員は、子どもの内なる「良きもの」を見つけ、引き出し、広げ深め、その子どもならではの「輝き」を発見し導く仕事である。そのためには、

・子どもの声に常にアンテナを高くし、子どもの姿は教員の責任であるという自覚を持つこと。

・子どもの〝つぶやき〟に普遍的な価値あるものが隠されていることを見抜くこと。

・子どもの意見を他の子どもにつなげ、集団としての高まりを意図的に追究すること。

・一人ひとりの素晴らしさに気づき、違いを豊かさにする肯定的な感性を持つことが大切である。

 なぜ人は学ぶのか?

 学びは、人の上に立つことではなく、人の役に立つことに意味があると考える。