チームの力
強い組織はチーム力が高いと言われる。その特徴は、一人ひとりが自分の問題点を考え分析し、どうすれば課題を解決して組織に貢献できるかを常に実行する点にある。上から「こうしなさい」と言われて「はい、はい」と従っているだけの組織は弱い。
チーム力を向上させる秘訣はお互いのコミュニケーションを図ることだ。みんながそれぞれ頑張ったから成果が出たという達成感や満足感を共有することが大切である。全日本女子バレーボールチーム監督の眞鍋政義さんは、強いチームと弱いチームの差について次のように語っている。
「濱口華菜里というレシーブに天性の才能を持っている選手がいます。明るい性格で、いつも大きな声で皆を励ましてくれるし、練習にも人一倍熱心で人の嫌がる片づけも率先してやってくれます。だけど、私はこの濱口を世界選手権に出場させてあげられなかったんです。本当に悔しかったと思います。だけど練習には早く来てムードを盛り上げて、雑用で走り回って……。メダルを獲得できたのは、この濱口の姿勢が周りに伝わったからだと思っています。銅メダル獲得が決まった試合直後、セッターの竹下佳江はすぐに濱口に駆け寄り、抱き合ってました。控えにどんな選手を置くかでチーム力は強くもなるし弱くもなる。全員が同じ方向を向いて目標を共有できて、強いチームになると実感しています。」