不眠の克服
授業中に睡魔に襲われる学生がいる。聞けば、寝不足から倦怠感や疲労感が蓄積しているらしい。こうした状態が常態化すると眠りを司るホルモンの「メラトニン」の分泌が低下し、不眠症になる危険がある。
テレビゲームやパソコン・スマホ・携帯電話などを眠る直前までしているとメラトニンが分泌されにくくなり、「夜になっても眠れない」「夜、眠れないから昼間眠くなる」「授業中に寝てしまう」という悪循環になる。
人間の体には、24時間に合わせた「体内時計」があり、この体内時計に大きく影響を与えているのが「光」である。朝、光を浴びるとメラトニンの分泌が止まり、その14~16時間後に脳の松果体からメラトニンが分泌され、1~2時間後に眠りにつくことができる。しかし、夜遅くまで明るい光の中にいると、メラトニンが分泌されづらくなり眠くならない。夜更かしによってメラトニンの分泌が低下し、体内時計が乱れてしまっているのだ。
体内時計の乱れを整え良好な睡眠を得るには、生活習慣の改善を心がけることである。毎朝、決まった時間に起き、朝日を体いっぱい浴びてメラトニンの分泌を促し、日中を活動的に過ごせば、夜はぐっすり眠ることができるようになる。また、栄養バランスのある食事を取り、ウオーキングなどの適度な運動を継続すれば心身が元気になる。不眠を克服する「府民」でありたい。