キャンプファイヤー

 火はあたりを明るくし、空気に熱を与え、集う私たちの顔を照らす。はじめは弱く、次第に強く、最後はぬくもりを残して静かに消えてゆく。その様は人間の一生と似ている。誰も最初は、か弱い赤ちゃんで一人では生きていけない。年を重ねて少年・少女・青年となり、自立して強くなる。そして、いつしか年老いて死を迎える。

 目の前の火は、ひと夏の夢と希望を燃え上がらせる。人類は、火を発見し、驚くほど生活を変化させ進歩させた。火は獣から身を守る安全安心を暮らしにもたらした。肉を焼き、野菜を炊き、暗闇から人間を解放した。人々は火を囲んでは喜び踊り、ぬくもりの中で子どもを育て思いやりの心を育んだ。

 こんな火も、1本の薪では思うように燃えず小さい。2本、3本と組み合わさり重なることで大きな力を発揮する。人間もみんなの力が一つになれば、計り知れない力が生まれる。一人ひとりは微力でも無力ではない。

 キャンプファイヤーは、そんな勇気と元気を私たちに与えてくれる。