場を清め、礼を正し、時を守る

 国民教育の父と言われた森 信三氏(1896~1992年:哲学者 教育者)は、学校の基本は「場を清め、礼を正し、時を守る」と言った。最近の公衆トイレはとても美しい。ひと昔はトイレットペーパーが無いのは当たり前だった。インバウンドの人々は日本のトイレの清潔さや快適さに感動して「また、日本へ行こう」と思うことだろう。

 学校のトイレも随分ときれいになった。校舎が古くても美しいトイレはつくれる。新しい校舎でも汚いトイレはある。キャンプで「来たときよりも美しく」という合言葉がある。その心構えは学校生活でも当てはまる。朝、登校したときよりも放課後は美しくして帰るという意識を持てば安全な環境は整う。

 「木は気を持つ。石は意志を持つ。では、あなたは何を持つか?」という詩がある。先生はどんな志を持って子どもに日々、接するか。先生の服装や言動は子どもの心に大きな影響を与える。学校は一端「荒れる」と早い。「この先生の前では嘘をつけない」と、子どもが一目置く先生になるには、客観的事実(エビデンス)の把握と子どもへの深い愛情による厳しさと優しさの両方が必要だ。 若い先生が多くなってきた。明るく元気で誰にも公平で知的な先生の存在こそ、子どもの学びを育む土台である。