学生の声から

 ある女子学生が父親のことを話してくれた。「父は、かなりハラスメント気質で、家のことは一切しないし、自分の思い通りにならないと、すぐに物や人に当たる。娘の私には、女の子は大学まで行って勉強せんでも、早くお嫁に行きなさいと言い、2つ上の兄には大学を出て立派な会社に入って結婚し、男の子の孫の顔を見せてくれと言う。今時考えられないくらい昭和だ。なので、父が家にいる土日はほとんどバイトに逃げている」。

 一方、こういう学生もいます。「父方の祖父は父に外で仕事ができても家事が何もできないのは人として不十分だと子どもの時から教え、祖母の手伝いを積極的にさせていたそうだ。なので、私の父は、仕事から帰ってくると座りもせず、母と晩御飯を一緒に作る。そんな父と母の姿を見て育ってきたので家事に対する男女観は、性別によって分け隔てしないというのが当たり前に思ってきた」。

  性別による固定的な価値観が見直され、家庭や地域社会で人権意識や行動力が高まり広がってきた反面、まだ一部には、性別や国籍や出自等で偏見や差別する根強い実態も見られる。国際化と情報化が進展する現在、男女共同参画社会をめざす道筋をどのように拓いていくかが問われている。

・「家事・育児や介護など男女平等社会の仕組みが十分に整備されていない」50.3%

・「男は仕事、女は家事・育児など男女の固定的な役割分担意識がある」44.6%

・「採用あるいは昇進などで男女の待遇に違いがある」38.1% 

※「人権に関する滋賀県民意識調査」報告書2022年(令和4年)3月