教師の成長

 人間が成長するのは、親から授かった遺伝子による内的要因によるものか、それとも生後に与えられる環境などの外的要因によるものか、という議論がある。実際は、双方が関連しあって人間は育つものと思うが、子どもはともかく成人した大人が集う職場の人材を育てるには何が必要か。とりわけ、教師という職業人をOJTで育成するにはどうすればいいのか。

 結論から言えば、教師という「職能人」を育てるのは、日々接する目の前の子どもたちの存在である。中でも、学習に遅れがちな子どもや心身にハンデをもつ子どもや家庭に厳しい課題を有する子どもは「先生を育てる」。

 なぜなら、勉強が苦手な子どもは「もっとわかりやすく教えてほしい」と、願っていおり、心身に障がいのある子どもは「優しく寄り添ってほしい」と、念じており、両親の不和や虐待・ネグレクトや貧困問題に苦しんでいる子どもは「私の気持ちをわかってほしい」と、切に望んでいるからだ。

 これらの子どもに何の気もとめられない先生は信頼されない。どの子どもも学級で居場所を持ち、生き生き楽しく学校生活が送れるようになった時、心から「私たちの担任は○○先生です。」と、思われる。「よく学び、いつも笑顔で、子どもの幸せを願う先生」は成長する。

 では、管理職として個々の先生を育成するには、どうすればよいのか。思いつくまま上げれば、

・自分が模範となり、何事も気になることは「率先垂範」すぐに行動する。

・「あの人のようになりたい」「もっとこうした方がいい」と誰もが意識するように、マメに声をかけ、思いやりの心を持つ。

・叱る前に褒め、叱った後に必ずフォローして、所属員に「包まれ感・所属感・認められ感・安心感」を与える。

・ミッション・ビジョンを正しく伝え共有し、働きがいややる気が育つような方針・プログラムをわかりやすく示す。

・仕事の優先順位をはっきりさせ、「迅速性」「確実性」を重んじる。

・ミッションやビジョンに沿って仕事をしているか点検・改善し、ロスやミスはないか、職場に公平感や納得感をつくる。

・よく見て。声をかけて、笑顔であいさつすることを忘れず、相手の立場に立ってとことん関わる。

・より多くの価値観を共有するように心がけ、積極的な情報発信と収集をする。

・個々人の仕事・健康・家族・対人関係・趣味などの把握に努め、共感・好感・親近感をもって共に働く。

 以上のことだ。しかし、難しい。