言葉の力

 大谷翔平は「一番野球が上手い選手になりたいと思って小さい頃から頑張ってきた」と、自分の目標を言葉に表し実行してきた。「言うは易し、行いは難し」というが、自らの未来を切り開く彼の「言葉の力」には驚かされる。

 日本では、古来から「言霊」信仰が暮らしに根付いてきた。良い言葉を発すれば、実際に良いことが起こり、不吉な言葉は災いをもたらすと。最新の脳科学は、言葉がいかに人間の行動の成否を左右するかを証明している。

 『最強リーダーの話す力』(矢野香 著:ディスカヴァー)の中に「リーダーにとって言葉は最大の武器」とあり、チャーチルが戦時中、窮地に立たされたイギリス国民に不屈の精神でナチスとの戦いに臨もうと力強く鼓舞する演説を行ってドイツの侵攻を防いだというエピソードを紹介している。

 リーダーに必要な最も重要な能力は「言葉の力」であることに間違いはない。